寿司屋の大将②
「伝えたい想い」を「伝わることば」へ
自己PRコンサルタントの森田恒行です。
さて、前回の
「喰えば分かる!」の寿司屋の大将の話の続きです。
イカに絶対の自信とこだわりを持ってた寿司屋の大将。
でも残念ながら、その想いは あなたに届きませんでした。
さあ、ここから先は あくまで架空の話ですが、
この大将が僕のところに相談に来たとしたら
こんな風に話をします。(けっこうリアルw)
僕
「大将、せっかくのイカ、食べてもらえなくて悔しかったですね」
大将
「そうなんですよ。すごく悔しいです。
もしかして、あのお客さんは
イカが好きじゃなかったのかなあ?
次からは、イカじゃなくて
別のものを仕入れたほうがいいのかなあ?」
僕
「実際に、そのイカって、何人の方が注文してくれたんですか?」
大将
「いや、それが誰も。。。。。」
僕
「そうだったんですか。。。。
だとしたら、イカの問題じゃなくて
他にも何か原因があるかもしれませんね。
ところで、大将はイカの魅力を伝えるのに
何か工夫されましたか?」
大将
「そりゃあ、
『喰えば分かるよ!』って
何回も念を押しましたよ。」
僕
「なるほどねー。
でも、そのことばだけでは
お客様は『それ、食べたい』って
思えなかったわけですよね。」
大将
「まあ、確かに。。。」
僕
「じゃあ、どんな風に
魅力を伝えればよかったと思います?
そのイカの魅力って何ですか?」
大将
「イカの魅力???
それは「美味い」ってことですよ。
それ以外に何か必要なんですか?」
僕
「なるほど、なるほど。
じゃあ、「美味い」以外の
イカの魅力を探してみましょうか?」
大将
「そんなのって あるんですか???」
僕
「まあまあ、ちょっとだけ やってみましょう。」
大将
「ええ、いいですけど。。。」
僕
「大将、そのイカって、どこで獲れたんですか?」
大将
「八戸ですよ。青森県の八戸。
あそこは、イカの漁獲高が日本一なんですよ。」
僕
「そうなんですか!スゴイですねえ!
ちなみに、そのイカって いつ獲れたんですか?」
大将
「朝ですよ。
夜中に獲って朝イチで港にあがった特上のヤツ。」
僕
「え?それ って、八戸からどうやって運んだんですか?」
大将
「空輸ですよ、空輸。
朝イチで獲れたのを飛行機で運んだんです。」
僕
「それって、生きたままですか?」
大将
「そう!ほぼ生きたまま!
しかもイカの鮮度を保つために
八戸の海水を凍らせて
シャーベット状態にして
水温を保ちながら運んでるんですよ。」
僕
「それ、すごく手がかかってないですか?
しかも そのイカ、めっちゃ新鮮じゃないですか!?」
大将
「そうなんですよ。だから美味いんです!
やっと わかってくれました?」
僕
「いやあ、わかりました、わかりました。
そういえば、大将のお店って、
確か シャリにも めっちゃ こだわってましたよね?」
大将
「そうですよ。
ウチは朝採りの山奥の湧水でしか
メシは炊かないことに決めてるから!
そのシャリも
酢と砂糖と塩と昆布の黄金比率の配合を、
忠実に先祖代々 守ってますからね。」
僕
「うわあ!聞いてるだけで美味しそうですね!」
大将
「そうでしょ!?」
僕
「ねえ大将。その話って、お客さんにも話してます?」
大将
「え? 話してないけど。。。。。」
僕
「それ、めっちゃ もったいなくないですか?」
大将
「う。。。。。。」
僕
「その話、こんな風にお客さんに伝えられませんか?
お客さんに「そのイカ、本当に美味しいの?」って聞かれたら
大将は、
『今日のイカは、あのイカの漁獲高日本一の青森県 八戸で
今朝一番にあがった特上のヤツを、鮮度を保つために
シャーベット状にした八戸の海水に入れて空輸で運んで、
さっき届いたピチピチのヤツを、朝採りの湧水を使って
ウチの先祖代々の黄金比率のシャリと合わせて
絶品に仕上げたモノだよ!
これ、今日しか食えないよ!食べなかったら、後悔するよ!』
ここまで言うことができたら、お客さんも 「それ食べたい!」
って値段を聞く前に 注文してくれるんじゃないかと♪
どうですか、大将?」
大将
「なるほどねえ。そこまで伝えてなかったなあ」
と、は大将と こんなやりとりをするはずです。(推測)
さあ、ここから何が言えるのでしょうか。
長くなったので、続きは次回にしましょう。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。